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市長室からこんにちは(令和元年10月号)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月20日更新

 歴史上「リンガフランカ」とされた言語がいくつかあります。国や民族を越えた共通言語のことで、古代から中世にかけてはギリシア語やラテン語、漢文などがその役割を果たし、近代のヨーロッパ外交においてはフランス語が多用されました。そして現代、事実上の世界共通語となっているのが英語です。

 英語は数奇な歴史を持つ言語といえます。発祥地は現代のドイツとデンマークの国境に近いユトランド半島南部。5世紀半ば、ここから海を渡ってブリテン島に住み着いたアングロサクソン人が、それまで土着の言葉だったケルト語を片隅に押しやり、徐々に英語の原型を形成しました。

 ところが、1066 年にイギリス全土がフランスに占領されると、英語は一転して支配者の言語であるフランス語に屈服させられます。しかし、それでもしぶとく生き残ったうえ、フランス語の単語を大量に取り込むことで、結果的に言語としての多面性と表現力を飛躍的に高めました。

 いち早く産業革命に成功したイギリスはやがて最強の海洋国家として世界の至るところに植民地を獲得し、日の沈まぬ帝国と呼ばれるまでになりました。それに伴い、英語も世界に広まります。さらに、20世紀の2度の世界大戦を経て世界の覇権が今度はアメリカに移ったことや、国際連合がニューヨークに本部を置いたことなどで、英語の国際的地位は絶対的なものになりました。

 近年これに拍車をかけているのがインターネットの普及です。世界のウェブ上での英語のシェアは5割を超えますが、こと学術論文やジャーナリズムに関してはさらに圧倒的割合を占めます。

 私事ながら、昨年5月にアイルランドを訪問した際、英語力の著しい衰えを痛感し、一念発起して英語学習を始めました。今年の6月に挑戦した英語の検定試験ではあえなく不合格となりましたが、再起を期しているところです。

 国語が大切なのは当然として、来年からは小学校でも英語が正式の教科となるなど、その必要性はさらに高まることでしょう。