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市長室からこんにちは(令和2年1月号)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月23日更新

 5月に改元された令和元年が暮れ、新しい年が始まります。年初にあたり四季の花鳥風月が描かれた花札について述べます。

 もともと西洋から伝わったトランプが江戸時代に賭博の弊害から禁止され、その抜け道として作られたのが花札だそうです。数字の代わりに12種類の花や動物が月ごとの風物詩として描かれ、日本文化を反映しています。

 まず1月は松に鶴。年の初めらしい縁起の良い組み合わせです。

 2月は梅に鶯(うぐいす)。いずれも春の訪れを告げてくれます。

 3月は桜に幕。春爛漫、花見日和の雰囲気が伝わってきます。

 4月の藤に不如帰(ほととぎす)という取り合わせは、古今和歌集の歌から来ているそうです。

 5月の花は、菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)、いずれの説もあり、甲乙つけがたいところ。

 6月は、百花の王とされる牡丹の周りを蝶が優美に舞います。

 7月は萩と猪。可憐な花と荒々しい猛獣の対比が絶妙です。

 8月、芒(すすき)が生い茂り、満月がぽっかりと浮かぶのは旧暦の十五夜かもしれません。

 9月の菊と盃は、長寿を願って飲む菊見酒の名残でしょうか。

 10月の紅葉と並んで、つれなくそっぽを向く鹿の姿が「シカト(鹿十)」の語源とされます。

 11月は雨の中、柳の枝めがけて何度も飛び跳ねる蛙の姿に小野道風(おのの とうふう)が触発される場面が描かれています。


 そして12月には、至高の霊鳥とされる鳳凰の止まり木である桐が来て、一年のキリとなります。

 このように花札の一枚一枚には季節の物語が織り込まれています。賭博との親和性はさておき、全体として鑑賞に値する優雅で風流な芸術を構成しています。

 ところで、48枚の札にはそれぞれ点数が付いています。20点札が5枚、10点札が9枚、5点札が10枚、そして半数を占めるカス札24枚を1点と数えると、合計は264 点。3人で取り合う場合、勝ち負けトントンの基準点は88点となります。花札のもっとも変化に富んだ遊び方とされる「八八(はちはち)」の名称の由来であるとともに、実は今月号の話題の決め手の一つでもありました。