石見神楽とは
大悪狐を退治する「黒塚」
石見神楽は石見一円で演じられる神楽である。
神楽は「神座(かむくら)」の語から 転じたものと言われる。
神座は神が降臨する場所のことで、 そこに神々を招き、舞踊的要素を伴った鎮魂のための 行事をするのが目的。
その由来は古く、室町時代には石見一円で、大元神を信仰した田楽系の神楽が行われていた。
託舞がその中心であったが、 慶長年間出雲佐陀神楽が猿楽能を脚色して 神能として演ずるようになり、その佐陀神能が 爆発的に石見に波及した。
江戸時代は神官がこの神楽を上演していたが、 明治維新の神職演舞禁止令により、 神官から土地の人々に受け継がれ、 明治中期に新しい感覚が加わって大改正された。
これは、芸術的な気品を与え、出雲神楽に劣らない 郷土芸能を育成しようとした試みであった。
リズムは活発な石見人の気性そのままに 勇壮な八調子とよばれるテンポになり、 大太鼓、小太鼓、手拍子、笛のメロディーと リズムは聞く人を魅了し、金糸、銀糸の 総縫いつぶしの絢爛豪華な衣装は視覚を夢の世界に誘い、 舞手の厳粛な所作は神話の世界を再現させる。
そのスケールの大きさとダイナミックな動きに 圧倒される「大蛇」は、世界各地に絶賛を博している。
演目は三十数種。
出演する団体は百以上。
今や地元の例祭への奉納はもとより、各種の催事、祝祭の行事にかかすことができない誇れる郷土芸能になっている。
(「ますだの散歩道」矢富 巌夫氏著より)
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更新日:2022年01月14日