益田元祥が着ていたとされる帷子(かたびら)についての研究論文が発表されました
益田を治めていた最後の益田氏当主であり、萩藩初期の財政問題を解決して同藩の永代家老家としての地位を確立した益田元祥が着用していたとされる帷子(かたびら)がご子孫の家に伝わっており、その調査成果をまとめた論文・長崎巌「伝益田元祥所用「白地横縞模様木綿帷子」(個人蔵)に関する一考察―安土桃山・江戸時代初期における上層武家の木綿使用の実態―」(『共立女子大学家政学部紀要』69号、2023年)が発表されました。
(1)安土桃山時代から江戸時代初期に至る時期に制作されたと推測され、帷子(裏地を伴わないひとえの小袖形衣服)としては、上杉謙信が着ていたと伝わるもの4点の次に古いと位置づけられること、(2)まだ木綿がほとんど普及していない時代でありながら、木綿仕立ての希少な事例として重要な作品と位置付けられることなどが述べられています。
(1)からは益田元祥が活躍した時期のものと矛盾がなく、(2)からは当時の日本では木綿がほとんど普及していなかったため、朝鮮半島などからの輸入の可能性がうかがわれるなど、この帷子は益田の歴史を解き明かすうえで、とても注目される作品です。
同大学のホームページから論文のPDFをダウンロードすることができますので、ぜひご覧ください。
伝益田元祥所用「白地横縞模様木綿帷子」(個人蔵)に 関する一考察 : 安土桃山・江戸時代初期における上層武家の木綿使用の実態(別ウインドウで共立女子大学のページが開きます)
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更新日:2023年02月21日