平成28年度ICTを活用した持続可能な地域運営のモデル構築の実証実験成果報告
益田市、一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所、サイボウズ株式会社が包括的な連携のもと、「益田市の中山間地域におけるICTを活用した持続可能な地域運営のモデル構築の実証実験」を行いました。
背景
人口減少による自治運営の担い手不足が課題に
島根県益田市は「日本創成会議」から発表された「消滅可能性都市」の1つです。
1985年から人口減少による、農業の担い手不足による不耕作地の増加、管理しきれない山林や里山の荒廃がもたらす鳥獣被害増加、空き家の増加などの課題が近年発見されていました。
そこで2013年より、地域が一体となり課題解決に向けて取り組む地域自治組織の設立並びに運営の支援を進めてきました。
この取り組みが順調に進んだ地域では、活動が拡大した結果、自治組織の事務局スタッフや、行政が配置したサポートスタッフへの負荷が大きくなっていました。
概要
自治運営の効率化、住民主体の地域づくり
今回の実験では、益田市人口拡大課ほか関係部署、一般社団法人小さな拠点ネットワーク研究所、そして益田市の中山間地域の自治組織が、官民一体となりサイボウズ株式会社がサービス提供をするクラウドデータベース「kintone」を利用しました。
同サービス上では、地域住民が日々の生活で必要になる情報も共有していくことで、ICTを活用した持続可能な地域運営の在り方を探求するものです。
益田市は今回の取り組みを通じ、地域住民が主体となり地域課題を解決できるチームづくりを目指しています!

実施期間
平成28年7月1日~平成29年3月31日
地域づくりに、中山間地域に、地域自治組織に、なぜクラウドが必要なのか?

情報共有や意見交換が非常にスムーズになりますし、コミュニケーションが密になります。

kintoneとの出会い。直観的に地域で必要だと感じました。
地域自治組織でのクラウド活用
二条里づくりの会

このままいったら二条はダメになるんじゃないか?
これは、「なんとかせんといかん。」そう思っていたところに、市役所のほうから「地域自治組織に取り組んでみませんか?」と話があったんです。
自治会は会長や組長がいて上意下達だけど、地域自治組織は違う。みんなでやるんだ。みんなでなんとか現状維持をしていこうじゃないか。
平成26年8月に、地域自治組織「二条里づくりの会」を設立し、市内20地区において、一番最初の地域自治組織となりました。


地域自治組織に鳥獣被害防除隊を結成。住民からの目撃・被害報告を蓄積して対策。
農地を荒らす鳥獣の目撃情報や被害報告を住民から集め、クラウドへ入力することで自宅からでも情報が観覧できます。
その情報を狩猟免許を持つメンバーで分析し、迅速な対応が可能となりました。
ときめきの里 真砂


組織運営に関する事務作業を軽減。
会議日程の管理や書類管理、議事録、報告書などの事務作業は大きな負担となっていました。
kintoneを導入してから、会議等イベント開催日の管理や書類管理、会議議事録、交流サロンの利用状況などはアプリを作成して情報を整理しています。
市役所でのクラウド活用
交通対策


利用実態を蓄積してデータ分析。今後は路線バスの乗降データも蓄積したい。
写真や地図とリンクした益田市内のバス停のアプリを作成して情報を管理しています。
kintoneで路線ごとの利用者数や停留所ごとの利用者数の分析を行っています。
空き家対策


地図情報と連携は便利。今後は地域や事業者さんとも連携したい。
地図と連動する情報だと現地の様子や雰囲気なども分かるので、非常に便利です。
物件情報はもちろんですが、見学の日程予約などもできるようになれば嬉しいです。
防災


避難場所の管理アプリから作成。心配なのは被害時の通信環境。
実際にアプリを作成してみたら、直観的というか、予想していたよりも簡単にアプリが作成できました。
台帳管理


各種台帳の電子化を検討。集計資料の作成も効率化できるのでは。
都市整備課と土木課では、公園や道路の維持管理をしています。
データベースの知識がなくてもデータベースが自分で作れる、これは使えるな、と思いました。
詳しい内容はこちらをご覧ください。
関連動画は次のリンクをご覧ください(外部リンク)
この記事に関するお問い合わせ先
政策企画局 地域振興課
〒698-8650 島根県益田市常盤町1番1号
電話番号:0856-31-0607
ファックス:0856-23-7708
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更新日:2022年01月14日