企画展「石見の戦国武将」と関連行事(平成29年度)

更新日:2022年07月20日

 平成29年9月30日(土曜日)から平成29年11月13日(月曜日)まで(火曜日休館)、島根県立石見美術館にて、「石見の戦国武将―戦乱と交易の中世―」展が開催されました。

 この展覧会では、中世益田の領主益田氏をはじめとする石見の武将と人々の歴史と文化を、その豊富な美術品や文化財から紹介しました。

 幸い、非常に多くの皆さまに足をお運びいただき、11,669人という目標(8,000人)を大きく上回る来場者数を達成しました。

 この企画展およびその関連行事について、益田市主催のものを中心に写真等を掲載いたします。

「石見の戦国武将」展のチラシ

「石見の戦国武将」展チラシ(表)の画像
「石見の戦国武将」展チラシ(裏)の画像

企画展の会場の様子(写真)

内覧会で客席を前にテープカットする様子の写真
内覧会展示を見学する人々の様子の写真
内覧会展示物についての説明を聞き入る様子の写真
内覧会展示物についての説明を聞き入る様子の写真
内覧会展示を見学する人々の様子の写真

 子どもたちもたくさん見に来てくれました。

展示物の巻物を見学する小学生の様子の写真
展示物の説明に聞き入る小学生の様子の写真
展示物の説明に聞き入る小学生の様子の写真

関連行事(益田市主催)

開催記念講演会 岸田裕之先生「石見国衆連合と大名たちの室町戦国時代史」

 開催記念講演会として、10月1日(日曜日)に広島大学名誉教授の岸田裕之先生を講師に、「石見国衆連合と大名たちの室町戦国時代史」を開催しました。

 岸田裕之先生は、「益田家文書」に早くから注目され、国人領主連合や益田氏の「海洋領主的性格」といった重要な概念を提示されました。

 講演では、これまでの研究の蓄積と新たな着眼点から、中世石見の特性を縦横に論じられました。

岸田裕之先生が壇上で講演する様子の写真
岸田裕之先生の壇上での講演風景の写真

 開催にあたって、「益田家文書」を所蔵される東京大学史料編纂所の山家浩樹(やんべこうき)所長から祝辞を賜り、また益田市の山本浩章市長があいさついたしました。山本市長はこの前日に刊行、販売開始された『中世益田ものがたり』のPRもされました。

山家所長が壇上で祝辞を述べる様子の写真

特別講演会 久留島典子氏「益田家文書研究の可能性」

 特別講演会として、11月4日(土曜日)に東京大学副学長・東京大学史料編纂所教授の久留島典子先生を講師に、「益田家文書研究の可能性」を開催しました。

 久留島典子先生は、「益田家文書」を所蔵される東京大学史料編纂所にあって、これを活字化し、刊行する『大日本古文書 家わけ第二十二 益田家文書』を担当され、もっとも「益田家文書」に身近に接していらっしゃいます。

 当日も、これまでその価値が十分検討されていなかった史料を丹念に分析され、新事実を明らかにされました。

久留島先生が壇上で講演する様子の写真
久留島先生がスクリーンをバックに講演する様子の写真

 講演会に先立って主催者を代表して、溝口善兵衛島根県知事のあいさつを神在英寛西部県県民センター長が代読され、また、山本浩章益田市長があいさついたしました。

神在西部県民センター長が壇上であいさつする様子の写真

「第3回 戻って来い! 歴史のまち 都茂丸山鉱山の輝き再び」

 11月5日(日曜日)には、古代以来の鉱山で、中世においても銅や銀を産出し、益田の交易品を供給したと考えられる都茂鉱山をはじめとし、石見部の鉱山遺跡の活用を考えるシンポジウムを開催しました。

 最初に、地元、都茂鉱山の管理や活用を進めている都茂地区直進会の久保勝規さんが、同会の取り組みについて発表されました。

久保さんがスクリーンを使って発表する様子の写真

 続いて、九州大学総合研究博物館准教授の中西哲也氏に「都茂丸山鉱山と日本の鉱山」と題する基調講演をいただきました。

中西哲也氏が壇上で講演する様子の写真

 そして、都茂地区直進会の島川鐡雄氏をコーディネーターに、石見銀山、久喜・大林銀山、津和野藩の鉱山の各遺跡等の活用にたずさわっている、中村唯史氏、森脇政晴氏、等農修氏と久保勝規氏をパネラーに「鉱山遺跡の保全と活用を考える」をテーマにパネルディスカッションが行われ、活発な議論が展開されました。

5名のパネルディスカッションの様子の写真

 開会にあたっては、益田市教育委員会の柳井秀雄教育長があいさついたしました。

中世益田を題材とした模擬授業

 平成27年1月から2月にかけて、益田中学校で中世の益田と益田氏を題材とした授業が行われ、テレビや新聞でも取り上げられ、たいへん好評を博しました。
 このような授業を広く行っていただくため、この授業を行われた、当時益田中学校の教諭であった吉賀町立六日市中学校の山本悦生先生に、平成29年10月15日に授業を再現していただきました。
 いろいろな小道具が飛び出したり、グループワークがあったりで、子どもはもちろん大人が聞いても楽しめる授業となっていました。

山本先生がプロジェクターを使って授業する様子の写真
山本先生の授業を受けながら話し合う様子の写真
山本先生の授業を聞き入る参加者の写真

石見の戦国武将展協賛「歴史探訪ウォーキング」

 10月21日(土曜日)には、益田氏の山城・七尾城跡、館・三宅御土居跡、ゆかりの寺院や神社をまわるイベント歴史探訪ウォーキング「戦国武将 益田氏を訪ねて!」が開催されました。

歴史探訪ウォーキング出発地点に集合する参加者らの写真
歴史探訪ウォーキングに歩きながら出発する参加者らの写真

 130人を超える参加者があり、歴史探訪実行委員会の様々な企画により、楽しみながら中世の益田の歴史を感じていただくことができました。

寺院で休憩する参加者の様子の写真

 この歴史探訪ウォーキングにはたくさんの子どもたちが協力してくれました。

 益田東中学校の生徒たちは、企画やウォーキングそのものにも参加しました。下の写真は益田東中学校の生徒たちが作ってくれたポスターです。

歴史探訪ウォーキング益田東中学校の生徒が作ったポスターの画像

 また、益田小学校の児童3人は、妙義寺前の益田兼堯像のところで益田兼堯の解説をしてくれました。

益田兼堯像の前で解説する益田小学校の児童の様子の写真

観光ボランティアガイド友の会による現地解説

 「石見の戦国武将」展期間中、3回にわたって、益田観光ボランティアガイド友の会のご協力により、万福寺、医光寺、妙義寺、染羽天石勝神社の4か所で、解説を行っていただきました。

旗を手にしたガイドの方の写真
廊下に座りながら庭園について解説するガイドの様子の写真
寺院を前に解説するガイドの様子の写真

関連企画展

「石見の戦国武将」展にあわせて、益田市立歴史民俗資料館では「益田市の指定文化財」展と「石見の山城写真」展を開催しました。
また、「街角ウォーク」の第4回と第5回を「山城を歩く」として、美都町東仙道の四つ山城と東仙道土居遺跡、向横田町の向横田城をめぐるウォークイベントを開催しました。
さらに、「石見の山城写真」展に関連して、島根県立八雲立つ風土記の丘学芸課長の高屋茂男氏による「つわものどもが夢の跡~石見の山城と戦国時代~」を開催しました。

益田市立歴史民俗資料館の企画展のチラシの画像
展示物を前に解説する様子の写真
解説に聞き入りながら見学する様子の写真
街角ウォーク「山城を歩く」チラシの画像
バスを前に集合して話を聞く参加者の様子の写真
プロジェクターを前に説明を聞く参加者の様子の写真

 益田市立雪舟の郷記念館では、「水墨の輝き」展と「雪舟を招いた益田の寺院文化」展を開催しました。

「水墨の輝き展」チラシの画像

武将カード

 「石見の戦国武将」展に来場された方に、市内の関連寺院や施設を回っていただくために、「まわって集めよう! 益田氏の武将カード」という企画を行いました。
 これは、益田氏の歴代の中で肖像画の残っている当主6人をカード化し、島根県立石見美術館、万福寺、医光寺、益田市立歴史民俗資料館、益田市立雪舟の郷記念館、萩市須佐歴史民俗資料館で配布し、全種類を集めることを目的に周遊していただこうというものです。
 たいへん好評で、新聞等でも取り上げられました。

武将カードを並べた写真
武将カードを横に並べた写真

おわりに

 「石見の戦国武将」展は、島根県、島根県立石見美術館、しまね文化振興財団、島根県古代文化センター、益田市、益田市教育委員会、山陰中央新報、TSK山陰中央テレビが主催し、東京大学史料編纂所の協力、芸術文化とふれあう協議会の後援という、非常に多くの機関が連携して開催したものであり、県と市、官と民の垣根を越えた事業でした。また、関連事業でも市内外の多くの皆さまのご協力をいただきました。このような観点でも過去にない、大成功を収めた事業であったと思われます。
 益田市・益田市教育委員会では、この「石見の戦国武将」展で高まった益田の歴史文化への関心と郷土への愛着などの機運を逃すことなく、歴史を活かしたまちづくりへとつなげてまいります。

この記事に関するお問い合わせ先

歴史文化研究センター
〒698-0033 島根県益田市元町11番26号
電話番号:0856-31-0623
ファックス:0856-31-0641​​​​​​​

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