益田市スマート・ヘルスケア推進事業・「令和4年益田研究報告」
2年間の血圧測定結果から見えた室温管理の重要性について
岡山大学学術研究院医歯薬学域 助教 絹田 皆子 先生
(Kinuta M, et al. Hypertens Res 2022.)
- 季節による気温の変化は、血圧に影響を及ぼす要因の一つであり、血圧は冬に高くなることはよく知られています。しかし、家庭血圧と室温・外気温との関係は、わかっていませんでした。
- 益田研究は、通年を通して、家庭血圧測定を実施しています。また、益田研究で使用する血圧計は、血圧測定時の室温を同時計測し、IoT技術により血圧・室温の結果が研究用サーバーへ自動蓄積される仕組みが備わっています。
- 私たちは、2019年4月1日~2021年3月31日までに蓄積された2年間の家庭血圧と、血圧測定時に同時計測される室温、血圧測定と同時間帯の外気温を用いて、家庭血圧と室温・外気温との関係を検討しました。(下図:研究方法)
- 結果(下図:夕の最高血圧)例えば、夕の最高血圧(上の血圧)では、通年を通して、室温が10℃下がると、血圧は5mmHg上がる、外気温が10℃下がると、血圧は2mmHg上がることがわかりました。
- 本結果から、測定室温の方が家庭血圧に与える影響は大きい(下図)ことが明らかになりました。したがって、血圧管理には、血圧測定時の室温管理がより重要であることがわかりました。
☆寒い時には、部屋を暖めて生活すること(室温管理)が大切です。
☆家庭で血圧測定をするときも暖かい部屋で測定しましょう。
本研究結果は、
Hypertension Research(日本高血圧学会誌)に掲載されました。
Kinuta M, et al. Associations of indoor and outdoor temperatures and their difference with home blood pressure: The Masuda Study. Hypertens Res 2022.
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更新日:2024年06月24日